「シナリオを書いたらどうすればいいの?」
「リライトの方法が知りたい」
今回はそんな方のための、シナリオのリライトに関する記事です。
この記事を最後まで読めば、リライトに関する基礎知識や実践方法まで網羅的に学ぶことができますので、ぜひお付き合いください。
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リライトとは
リライトとは、一度書き上げたシナリオを書き直す・修正する作業のことを指します。
正しいリライトを行うことで、
- シナリオの完成度アップ
- コンクールで上位を目指せる
- プロの脚本家に必要なリライトスキルの向上
など様々な効果が期待できます。
リライトの重要性
シナリオは書き上げたら完成ではありません。
どんなに上手く書けたと感じても、読み返してみると誤字脱字や矛盾点など必ず改善点が見えてきます。
料理で例えるなら、シナリオの初稿は試作品です。
「美味しいけどもう少し味付けを調整すればみんなが美味しく食べられそうだな」
「盛り付けを変えて見栄えを良くしよう」
と食べる人のことを考えて改良していく過程が、シナリオにおけるリライトになります。
プロの脚本家に求められるリライト能力
さらにプロの脚本家になると、よりリライトのスキルが求められるようになります。
「斬新なアイデアをたくさん出し続けられるのがプロなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、それは間違いです。
アイデアを形にして、それを完成までリライトし続けられる人がプロの脚本家です。
プロの現場では制作費、スポンサー、監督やプロデューサーの価値観など多くの制約があります。
自分の価値観を大事にしつつ、各方面の意見を柔軟に取り入れながら妥協点が見つかるまで書き直していく。これがプロの脚本家の仕事です。
間違ったリライトは作品をダメにする
「コンクールで一次審査にすら通らず悩んでいる」という方はリライトをせず試作品のまま応募しているか、正しいリライトが行えていない可能性が高いです。
リライトは正しく行うことで作品をより面白くすることができますが、間違ったリライトをすると作品のいい部分まで台無しにしてしまう場合もあります。
今のうちから正しいリライト方法についてしっかり学んでおきましょう。
リライトの注意点
具体的な方法に入る前に、初心者の方がリライトで注意するべきポイントを3つお伝えします。
それは、
- 自分の基準でリライトしない
- 他人の意見に振り回されない
- リライトにこだわりすぎない
の3つです。
自分の基準でリライトしない
初心者のうちは自分の作品を客観的に捉えるスキルが十分に身に付いていません。
なので、
「自分の作品が客観的に見てどうなのか」
「どこをどう直せばより良い作品になるのか」
などの判断が難しいです。
そこで誰かに作品を読んでもらい、フィードバックをもとにリライトを行いましょう。
そうすることで自分では気づかない矛盾点や改善点に気づくことができますし、逆に自分で気づかなかった作品のいい部分に気づかされることもあります。
他人の意見に振り回されない
他人の意見をもとにリライトを行うことには、メリットだけでなくデメリットも存在します。
作品を判断する基準や価値観は人によって違うため、あなたの作品を面白いと感じる人もいればつまらないと感じる人もいます。
あなたと違った価値観の意見をもらった時にそれに振り回されてしまうと、作品の良さが失われてしまいます。
そうならないためにはまずは自分の価値観をしっかりと持ちましょう。
初心者の方はシナリオを書きながら自分の価値観を見つけていく必要があるので、最初のうちは難しいかもしれません。
しかし常に「自分はこの作品で何を伝えたいのか」「シナリオを書くうえで大事にしているものは何か」を考えてみてください。
そうすることで異なる価値観の意見をもらっても軸がブレることはなくなります。
次に意見をもらう相手をきちんと選びましょう。
シナリオを書いている仲間やスクールの講師など、自分の価値観を理解した上で異なる意見をくれる人や、「主人公をもっと多くの人に共感できるキャラクターにすると多くの人に受け入れられると思うよ」など具体的なフィードバックをくれる人に作品を読んでもらうといいでしょう。
リライトにこだわりすぎない
リライトには明確な終わりがありません。
書けば書くほど「イマイチ納得いかない」「もっと直したい」という気持ちが次々に湧いてきます。
もちろん、いい加減に書くよりもこだわって書くほうが良いに決まっていますが、細かいことにこだわって作品が完成しないもの良くありません。
- 時間を区切る
- 目的をはっきり持って行う
など自分の中で基準を作っておきましょう。
リライトは大切ですが、新しい作品を書くことも同じくらい大切です。
リライト方法:チェックすべき4つのポイント
ここから具体的なリライト方法に入っていきます。
リライトの際は以下でお伝えする4つの項目を1から順に再点検していきましょう。
テーマを見直す
テーマは作品の核となる重要な部分です。
テーマがいくつもあったり、難解だったりすると受け手に「何が言いたいかよくわからない」という印象を与えてしまいます。
また犯罪を肯定するようなものなど、多くの反感を買うことが予想されるものはやめておきましょう。
- テーマはシナリオを書く前に固めておくもの
- 作品を一から考え直す、新たな作品に取り掛かるのも視野に入れよう
テーマは基本的にシナリオを書く前の段階でしっかり固めておくものです。
リライトの際に大きな変更はないと思いますが、もし、
「テーマ選びを間違えた」
「別のテーマが書きたいと気づいた」
という場合は登場人物やストーリーが大きく変わることになると思います。
なのでそういった場合は作品を白紙に戻して、一から考え直すことも視野に入れたほうが良いかもしれません。
テーマについて詳しく知りたい方はこちら↓
キャラクターを見直す
テーマの次に重要なのが、それを観客に伝えるキャラクターの存在です。
作品に登場するキャラクターには何かしらの目的が存在しなくてはいけません。
主人公にはテーマを背負わせ、敵役にはアンチテーゼを背負わせ、ヒロインや仲間には主人公の援助や救済の役割が存在します。
キャラクターの中でも、特に主人公は観客が最も感情移入できる人物でなくてはいけません。
目的や葛藤に共感できるのか、またそれらがどう達成・解決(=変化)するのかきちんと確認しましょう。
キャラクターを描くうえで最も大切なのが感情の流れです。
感情の流れはストーリーテリングにおいて最も大事な要素だといっても過言ではありません。
感情の流れを説明するために、主人公とヒロインのラブストーリーを例にします。
設定:主人公はヒロインに片想いしているが、ヒロインには彼氏がいる
主人公の葛藤:ヒロインに告白するべきかどうか
主人公の目的:ヒロインに告白する/ヒロインと付き合う
きちんとした感情の流れが描けていると、
⭕️感情の流れが自然な例
【主人公の感情の流れ】
告白するべきか
↓
やっぱりやめておこう
↓
自分はいつ死ぬかわからない
↓
後悔しないように想いを伝えよう
【ヒロインの感情の流れ】
彼氏が好きで主人公に好意はない
↓
彼氏が自分のことを考えてくれてないと感じる
↓
主人公が自分をかばって事故に遭ってしまった
↓
自分のことを想ってくれているのは彼氏じゃなくて主人公だ
↓
彼氏と別れて主人公と付き合おう
となります。
しかしダメな例は、
❌感情の流れが不自然な例
【主人公の感情の流れ】
告白するべきか
↓
やっぱりやめておこう
↓
告白しよう
【ヒロインの感情の流れ】
彼氏が好きで主人公に好意はない
↓
主人公の方が好きだ
↓
彼氏と別れて主人公と付き合おう
となります。
少し極端ではありますが、ダメな例は主人公とヒロインの感情に飛躍がありすぎて、
「なんで告白しようと思ったの?」
「なんで彼氏と別れて主人公と付き合うの?」
と観客に疑問をもたせてしまいます。
シナリオは目的やそれが達成したかどうかよりも、目的を達成するまでのプロセスが丁寧に描けているかが重要であることがわかったかと思います。
- 履歴書を書いて深掘りしてみる
- 主人公を別の登場人物に変えてみる
キャラクターが上手く描けないという方は主要な人物の履歴書を作ってみることをおすすめします。
履歴書を作ることでキャラクターの理解が深まり、言動に説得力が生まれ、リアリティのあるキャラクターを描くことができるようになります。
主人公でつまづいたときは、主人公を別の登場人物に変えてみると上手く行くことがあります。
- より作品のテーマを背負っているのは誰か?
- より葛藤を抱え、辛い目に遭っている人物は誰か?
- 作品の始めと終わりで最も変化のある人物は誰か?
これらに当てはまる人物を主人公に据えてストーリーを作ってみましょう。
履歴書の作り方について詳しく知りたい方はこちら↓
構成を見直す
作品を料理に例えると、テーマやキャラクターが食材なら構成は調理法にあたります。
どんなにいい食材でも、調理法しだいでその料理が50点にも120点にもなってしまうように、構成も作品の出来を左右する重要な要素です。
構成を見直す際はまずシーンとシーンの繋がりを確認して、飛躍していたり、同じ場所のシーンが長く続いていたりなど、不要で冗長な部分を削っていきます。
次にストーリー全体の流れを確認して、
- 盛り上がりはどこか
- ストーリーの終盤に来ているか
- そこに向けて効果的にストーリーを運べているか
などを確認します。
前衛的な作品に憧れて、複雑で凝った構成にすることは避けましょう。
繰り返しますが構成は調理法であり、素材を最大限に活かすために存在します。
新しい構成を編み出したいという気持ちは理解できますが、まずは起承転結や三幕構成など基本的な構成法に則って構成を作りましょう。
構成はベタ、テーマやキャラクターの方に新鮮さがある作品というのが多くの人に受け入れられます。
調理法より食材で勝負しましょう。
- 伝えたいことを再確認し、シーンごとに目的を見直す
- プロットを書き直す
構成が上手くいかないという場合は、テーマやキャラクターの方に改善点がある場合が多いです。
もう一度戻って確認してみましょう。
それができたらストーリーの要点を箇条書きにして全体の流れを見直したり、もう一度プロットにしてみるといいでしょう。
構成について詳しく知りたい方はこちら↓
プロットの書き方について知りたい方はこちら↓
シーン(セリフ・ト書き)を見直す
シーン(セリフ・ト書き)をリライトする際は、まずシーンの目的を確認します。
目的がなかったり作品のテーマとは関係のないシーンは削り、目的に沿ったト書きやセリフにリライトしていきます。
セリフはわかりやすさを意識しましょう。
- 長すぎないか
- 難しい言葉や周りくどい言い回しじゃないか
- 発話しやすいか
文章なら何度も読み返したり、読むのをやめて辞書を引くことができますが、映画やテレビドラマを見る視聴者は一度しか聞くことができません。
またセリフは視聴者だけでなく、それを発する俳優のことも意識して、話しやすいセリフを心がけましょう。
ト書きも映像化する俳優をスタッフを意識しながら、
- 誰が何をするのか
- このシーンの意図は何か
をわかりやすく書きましょう。
- セリフは声に出してみる
- ト書きは映像的な描写を意識する
声に出した時に自然なセリフになるよう、自分のセリフを声に出してみてセリフを修正するといいでしょう。
ト書きは小説的な表現にならないよう、頭でカメラの映像をイメージしてそれらを描写することを意識すると映像的な表現ができると思います。
まとめ:リライトに必要なスキルを得るには?
ここまでリライトの具体的な方法をお伝えしてきました。
リライトに必要にスキルは作品を客観的に捉え、本質を見極めることの2点に尽きます。
- 自分が本当に観客に伝えたいことは何か
- どうすればそれをわかりやすく伝えることができるのか
これらを軸にリライトを行えば、必ず前よりもいい作品になるでしょう。
この2つスキルを身につけるには、たくさんの作品を分析することが最も効果的です。
自分の作品を客観的に分析するのは難しいですが、他の人の書いたシナリオや映像作品であれば客観的に捉えることが簡単です。
さらに作品分析を行うことで、
- プロのシナリオの手法を学ぶことができる
- 自作のアイデアや改善点が見つかる
- 作品の幅が広がる
- 自分の書きたいテーマやメッセージがはっきりしてくる
というメリットもあります。
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シナリオが完成したら
リライトが終わったら、より多くの人に作品を読んでもらいましょう。
具体的には、
- コンクールに応募する
- ネットで公開する
などです。
「落ちたらどうしよう」「恥ずかしい」と思うかもしれません。
しかし結果はどうであれ、自分の実力を知ることは必ずつぎの作品づくりに繋がります。
そもそも誰かに作品を読んでもらい、評価されない限りプロになることはありません。
評価だって、心を込めて書いたものが見向きもされないこともあれば、投げやりに書いたものが受けることもあるので予想できません。
なのでみなさんは、
- 納得のいく作品を書く
- 発表する
- 次の作品に取り掛かる
- 並行して作品分析を行う
を繰り返していくことがプロの脚本家になる唯一の方法です。
シナリオコンクールについて詳しく知りたい方はこちら↓
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