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ネタバレ考察『名探偵コナン 隻眼の残像』あらすじや犯人、ラストシーンの意味を解説!

映画

この記事には作品のネタバレを含みます

  • 『名探偵コナン 隻眼の残像』を観たけど内容がよくわからなかった
  • 『名探偵コナン 隻眼の残像』のあらすじが知りたい
  • 『名探偵コナン 隻眼の残像』をより深く理解したい

『名探偵コナン 隻眼の残像』を観たけど、内容が複雑で理解しきれなかった方も多いです。この記事では、『名探偵コナン 隻眼の残像』のあらすじや考察をネタバレありで解説しています。

『名探偵コナン 隻眼の残像』は法律や制度のあり方について深く考えさせられる映画です。この記事を読めば、『名探偵コナン 隻眼の残像』についてより深く理解できるようになります。本作を観ようか迷っている方も、劇場に足を運ぶきっかけにしてください。

『名探偵コナン 隻眼の残像』とは、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第28作目のアニメ映画

『名探偵コナン 隻眼の残像』(せきがんのフラッシュバック)は、2025年4月18日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第28作目のアニメ映画です。青山剛昌さん原作の漫画シリーズをもとに監督を重原克也さん、脚本を櫻井武晴さんが担当しました。

主題歌はKing Gnuの「TWILIGHT!!!」。本作は公開初日3日間で、観客動員230万人、興行収入34億円を突破しています。オープニング成績としては、シリーズ歴代首位だった前作を超えて史上最高記録となりました。

『名探偵コナン 隻眼の残像』の主な登場人物とキャスト

『名探偵コナン 隻眼の残像』の主な登場人物とキャストは以下のとおりです。

キャラクター名声優役割・特徴
江戸川コナン高山みなみ主人公。天才的な推理力を持つ少年探偵。本来は高校生の工藤新一。
毛利小五郎小山力也有名な私立探偵。コナンの保護者で「眠りの小五郎」の異名を持つ。
大和敢助高田裕司長野県警警部。左目を負傷し隻眼となった。事件のキーパーソン。
諸伏高明速水奨長野県警警部。敢助の幼馴染でライバル。知識豊富な優秀な刑事。
上原由衣小清水亜美長野県警刑事。敢助の幼馴染であり部下。
鮫谷浩二(ワニ)平田広明小五郎の刑事時代の元同僚。警視庁刑事総務課改革準備室所属。
林篤信羽多野渉山梨県警総務課警部補。
大友隆山田孝之長野県山中で炭焼き小屋を営む主人。
円井まどか山下美月長野の国立天文台野辺山に所属する施設研究員。
長谷部陸夫関智一東京地検検察官。
安室透(降谷零)草尾毅喫茶ポアロのアルバイト店員。正体は公安警察に所属する降谷零。
風見祐也飛田 展男警視庁公安部所属の公安警察捜査官で、階級は警部補。降谷の協力者。
黒田兵衛岸野幸正警視庁刑事部捜査一課の管理官で、目暮警部や佐藤刑事たちの上司。

『名探偵コナン 隻眼の残像』のあらすじ

10か月前。長野県の八ヶ岳連峰未宝岳で、長野県警の警部・大和敢助(やまと かんすけ)は8年前の銃砲店強盗傷害事件の犯人を追っていました。その最中、敢助は何者かの姿を目撃し、その人物にライフルで左眼を撃たれてしまいます。さらに、直後に発生した雪崩に飲み込まれた敢助は、命は助かったものの、山中での記憶を失ってしまうのでした。

10か月後、国立天文台野辺山で研究員が襲われる事件が発生。現場に敢助と上原由衣(うえはら ゆい)が捜査に駆けつけます。天文台の巨大パラボラアンテナが動き出すと、敢助の失明した左眼が激しく疼きます。敢助の失われた記憶が、断片的にフラッシュバックし始めるのでした。

同じ頃、毛利小五郎のもとに警視庁時代の同僚・鮫谷浩二(ワニ)から連絡があります。鮫谷は未宝岳雪崩事故を調査していたところ、事件ファイルに小五郎の名前を発見。事件について話をするため、小五郎と鮫谷は会う約束をします。小五郎との待ち合わせ場所に向かう途中、鮫島は何者かに銃で胸を撃たれて死亡してしまいます。

『名探偵コナン 隻眼の残像』を理解するポイント

『名探偵コナン 隻眼の残像』をより理解するには、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 銃砲店強盗傷害事件
  • 八ヶ岳連峰未宝岳雪崩事故
  • 公安たちの動き

以上が事件の真相とどう関わるかに注目すると、作品をより理解できます。

銃砲店強盗傷害事件

8年前、御厨貞邦(みくりや さだくに)と鷲頭隆(わしず たかし)の2人組が銃砲店に侵入し、猟銃や弾丸を盗む事件を起こします。その際、店にいた従業員の舟久保真希(ふなくぼ まき)が足を負傷。彼女はバイアスロンの強化選手でしたが、足の怪我が原因で成績が落ち、オリンピック選考から外されてしまいます。絶望の果てに彼女は自ら命を絶ってしまいました。

犯人の鷲頭隆は逮捕後、司法取引で御厨の情報を警察に提供したことで執行猶予付きの判決となり、実刑を免れます。鷲頭は執行猶予満了後、行方不明に。舟久保真希の父・英三(えいぞう)は、娘の命を奪ったも同然の鷲頭を恨み、逃げた彼の手がかりを探しているのでした。

一方、御厨貞邦は懲役3年の実刑判決を受けて服役することに。しかし6年前、御厨は仮釈放中に失踪してしまいます。

八ヶ岳連峰未宝岳雪崩事故

10か月前。長野県警の大和敢助は、八ヶ岳連峰の未宝岳で銃砲店強盗傷害事件の犯人で失踪中の御厨貞邦を追跡していました。その際、敢助の視界に何者かの影を捉えます。その人物が撃った銃弾が敢助の左目に命中。直後に大きな雪崩が発生し、敢助は雪に飲み込まれてしまいます。

雪崩事件後、敢助は行方不明となり、周囲からは死亡したと思われていました。長野県警の諸伏高明(むろふし たかあき)は、雪崩から逃れて山に潜伏していた御厨を見つけて再逮捕します。雪崩事件のことを知った諸伏は、山梨の病院で意識不明になっていた敢助を見つけ出しました。しかし、目を覚ました敢助は、雪山で見た記憶の一部を失っていたのです。

公安の動き

小五郎とコナンが鮫谷を殺した犯人を追う中、コナンは自分に盗聴器が仕掛けられていることに気づきます。盗聴器を仕掛けたのは山梨県警の警部補である林篤信(はやし あつのぶ)。実は林の正体は、公安警察の潜入捜査官(隠れ公安)でした。コナンを盗聴していたのは、公安の降谷零(ふるや れい)が鮫谷殺害事件の捜査を部下の風見裕也(かざみ ゆうや)に命じていたからだったのです。

鮫谷殺害事件や雪崩事故を追っているのは公安だけではありませんでした。東京地検から特別に派遣された検事の長谷部陸夫(はせべ りくお)も、わざわざ長野に赴いて直接現場の指揮を行います。以上のように、鮫谷殺害事件と未宝岳の雪崩事故には国家レベルの深い関連性があることが示唆されます。

『名探偵コナン 隻眼の残像』のネタバレ

『名探偵コナン 隻眼の残像』のネタバレについて、以下の3つを解説します。

  • 命を狙われる敢助
  • 事件の真犯人
  • 犯行の動機

命を狙われる敢助

雪山で怪しい人物の顔を目撃していた敢助は、事件を捜査する中で失われた記憶が甦りつつありました。しかしその矢先、敢助は野辺山でヘルメットの男に銃で命を狙われます。銃弾は敢助を外れましたが、銃声を聞きつけてやってきた元太と光彦が襲われてしまいます。蘭が助けに来たおかげで、なんとか全員無事でした。

検事の長谷部が指揮を採り、ヘルメットの男を捜索。しかし男は見つかりません。危険が迫ったコナン達は、長野県山中で炭焼き小屋を営む大友隆(おおとも たかし)に避難場所の小屋を提供してもらうことに。その大友の体には、鉄砲を撃つ際にできるアザがありました。

翌日、下山しようとしたコナンたちを犯人が再び襲います。敢助を狙った銃弾は、彼を庇った諸伏をかすめます。負傷した諸伏の救助を呼ぶため、コナンたちは大友の炭焼き小屋へ避難することに。避難した小屋で、コナンたちは雪崩に襲われます。雪崩の危険を管理する目的で使用される人工雪崩発生用の音響装置を、犯人が悪用して起こしたのです。

間一髪のところで雪崩の衝撃を和らげ、助かったコナンたち。しかし、敢助が行方不明に。やがて警部補の佐藤から、敢助が亡くなったことを知らされます。

事件の真犯人

事件の真犯人は、山梨県警の警部補であり隠れ公安の林篤信でした。10か月前、林は移動観測者を盗み、八ヶ岳連峰の未宝岳で日本や同盟国の機密情報電波を傍受していました。林はそのデータを全世界に公開すると日本政府を脅迫。そのため公安や長谷部陸夫(正体は内閣情報調査室の人間)が事件を捜査することになりました。

林は電波を受信しているところを敢助に目撃され、敢助の左目を撃ちます。林は再び電波を受信しようと国立天文台野辺山に侵入し、遭遇した研究員を襲います。公安が雪崩事件について捜査していることを知った林は、同じく隠れ公安の鮫谷に接触。小五郎との待ち合わせ場所で鮫谷を射殺しました。

そして事件の捜査員として紛れ込んだ林は、敢助が当時の記憶が甦りそうになっている敢助の殺害を企てたのでした。

犯行の動機

林の犯行動機は、婚約者を失った悲しみと司法取引制度への強い憎悪です。林の婚約者は、銃砲店強盗傷害事件がきっかけで自殺した舟久保真希でした。婚約者を失った悲しみに暮れる中、林は犯人の鷲頭が司法取引によって実刑を免れたことを知ります。そこには、司法取引で加害者の罪が軽くなり、被害者や遺族がさらに苦しむ現実がありました。

日本の司法取引制度を憎むようになった林は、国家機密の衛星情報を傍受。情報をネタに「司法取引を拡大する法改正案」の成立を阻止するため政府を脅迫しました。それから林は事件を隠蔽するため、鮫谷の殺害や敢助、コナンたちを襲う罪を重ねました。

『名探偵コナン 隻眼の残像』の考察

『名探偵コナン 隻眼の残像』について、以下の2つを考察します。

  • ラストシーンの意味
  • リモコンの意味

ラストシーンの意味

『名探偵コナン 隻眼の残像』のラストでは、降谷零(安室透)が犯人の林に司法取引を持ちかけ、「これが公安のやり方だ」と話すシーンが描かれました。対して、次のシーンではコナンのやり方について語られます。コナンは雪崩に巻き込まれた敢助が実は生きているという事実を、敢助の幼馴染である上原には伝えていました。それは、誰かを悲しませたくないというコナンなりのやり方だったのです。

司法取引制度は本作の重要なテーマの一つで、事件解決のために必要な場合があります。しかし、加害者の刑が軽くなることで、被害者の不満や司法への不信感が生じる恐れがあることが物語を通して描かれていました。

司法取引制度に対する多くの意見に、正解や間違いはありません。しかし、どの意見にも共通することは「誰かを悲しませたくない」という想いなのではないしょうか。それを忘れてしまった結果、犯人は過ちを犯してしまったのかもしれません。当たり前だけど大切なことを、コナンは私たちに教えてくれているように感じました。

リモコンの意味

『名探偵コナン 隻眼の残像』を鑑賞して、リモコンの意味が気になった方は多いです。物語の序盤で、小五郎がテレビのリモコンを失くし、スマートフォンのアプリで代用するシーンが描かれます。そして物語のラストでは、失くしたリモコンが見つかります。このリモコンは、失くしたものを取り戻す象徴だと考えました。それは敢助の記憶であり、小五郎とワニとの思い出とも言えるでしょう。

『名探偵コナン 隻眼の残像』に関するよくある質問

『名探偵コナン 隻眼の残像』に関するよくある質問を以下にまとめました。

  • 大和敢助は雪崩で死亡したの?
  • 鷲頭隆はどこに消えたの?
  • 大和敢助が登場する他のエピソードは?

大和敢助は雪崩で死亡したの?

大和敢助は雪崩で死亡したように思われましたが、実は生きていました。八ヶ岳連峰未宝岳での事件捜査中に何者かに左眼を撃たれた直後、雪崩に巻き込まれて行方不明となりました。周囲や上原由衣は死亡したと思っていましたが、後に山梨県の病院で治療を受けていることが発見されます。

さらに敢助は、犯人が人工雪崩発生用の音響装置を悪用して発生させた雪崩によって行方不明に。後に死亡の連絡が届きましたが、実は犯人を欺くための嘘でした。敢助は2度目の雪崩によって真犯人の顔を思い出し、それが事件解決の決め手になります。

鷲頭隆はどこに消えたの?

鷲頭隆は顔と名前を変えて、大友隆として長野で炭焼き小屋を営んでいました。銃砲店に侵入して逮捕された鷲頭隆は、司法取引によって服役を免れます。その後、被害者の舟久保真希が自分のせいで自殺したことを知ると、大友隆として真希の墓の近くに炭焼き小屋を構えます。彼は真希の命日には墓標に座禅草を供え、彼女を悼み続けていました。

大和敢助が登場する他のエピソードは?

大和敢助が登場する主な作品は以下のとおりです。

タイトル原作コミック巻アニメ話数備考
風林火山 迷宮の鎧武者59巻516・517話大和・上原の初登場回
危険な2人連れ65巻557話
死亡の館、赤い壁65・66巻558~561話諸伏高明が初登場
毒と幻のデザイン74巻652~655話
赤女の悲劇82・83巻754~756話
かまいたちの宿(回想で登場)86巻808話
県警の黒い闇86・87巻810~812話
キッドVS高明 狙われた唇96巻983~984話
36マスの完全犯罪97巻1003~1005話
群馬と長野 県境の遺体102巻1123・1124話
屍人の御燈107巻未アニメ化

他にも、劇場版では『名探偵コナン 漆黒の追跡者』(2009年)にも登場しています。上記のエピソードはアニメタイムズで全話視聴可能です。30日間の無料体験を活用し、ぜひご覧になってください。

まとめ

『名探偵コナン 隻眼の残像』は劇場版28作目で、主人公コナンたちが長野県を舞台に事件に挑む物語です。この記事では、『名探偵コナン 隻眼の残像』のあらすじや考察をネタバレありで解説しました。本作は司法取引制度の功罪が重要なテーマとして描かれています。被害者感情と事件解決の両立の難しさについて、深く考えさせられる内容になっています。

まだ観ていない方は、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

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