みなさんこんにちは、ムービー3分クッキングの時間です。
最近、脚本を書き始めた方から、
- 脚本のことを勉強したいけど何をすればいいかわからない
- もっとレベルアップするにはどうすればいいんだろう
といった質問をよくいただきます。
そこでこの記事では「ほとんどの人がやっていない最強の勉強法」について解説します。
前提:なぜ脚本の勉強をするのか
本題に入るまえに考えてほしいことがあります。
なぜ脚本の勉強をするのか
ということです。
これは脚本に関わらずですが、「とりあえず勉強する」ことほど無意味なことはありません。
学生の頃、とりあえず受けていた授業は何一つ覚えていませんし、テスト前に暗記した英単語や年号はテスト後に記憶から消えていきました。
勉強というものは目的を持って行うのが一番効果的です。
真面目な人なんかは、
とりあえず本や記事を読んで知識を入れてから書き始めよう
と思いがちですが、まだ脚本を書いていない人は
とりあえず脚本を書いてください!
実際に書いてみると、必ずできないことやわからないことが出てきます。
ただ勉強するよりも、何かしらの課題が見えてから勉強する方が必ず身になります。
失敗せず近道をして脚本家になりたい気持ちはとてもよくわかりますが、脚本を書かずに脚本家にはなれませんし、失敗はできるだけ早くしたほうがいいんです。
それでは本題に入ります。
作品をみる
シナリオの勉強において「作品をみること」は最も重要です。
今は動画配信サービスも充実していて、簡単にたくさんの作品をみることができます。
ですが、初心者の方は自分の作品を書くことに一生懸命になってしまい、作品をみて勉強することを疎かにしがちです。
では、どんな作品をみればいいのかと言うと、
「古典的名作と最近の流行作」
これらは必ずみておくべきです。なぜならそれが現時点での最適解だからです。
何年経っても観られている作品や現在ヒットしている作品にはそれなりの理由があります。
その理由をつかむことができれば、それは必ず自分の作品に活きてくるはずです。
作品の具体的な見方
「ヒット作をみろ!」と言っても、具体的に作品のどんなところをみればいいかわからないと思うので、それについて解説していきます。
映画分析の方法についてこちらの本に詳しく書かれています。
今回は簡単に解説しますが、別で解説記事も書いているので詳しく知りたい方はそちらを読んでみてください。
作品をみて勉強する具体的な方法は、
- 観客としての感想を持つ
- 構成表を作る
- ストーリーの流れを掴む
- ストーリーの本質を把握する
の4ステップです。
観客としての感想を持つ
意外かもしれませんが、まずは観客として素直に鑑賞します。
その際に、
- どこが面白かったか
- どこで感動したか
など簡単な感想をメモしておきましょう。
なぜ一度観客として観る必要があるかというと、あらかじめストーリーがわかっているほうが構造を理解しやすいからです。
いきなり機械の図面の見るのと、一度使ってみてから見るのとでは後者のほうがより腹落ちできますよね。
もし仮に観客として作品を見たときにつまらなかったら、そこで分析をせず次の作品へ移ってしまうのもありです。
ただ余裕のある方は、
- なぜつまらないのか
- この作品がなぜ人気なのか
これらを分析してみるのもいいと思います。例えつまらない作品でも分析することが無駄にはなりません。
構成表を作る
次は構成表を作ります。
作品のストーリーにおいて「どんなシーン」が「どんな順番で」並んでいるか書き出します。
構成表には、
- 場所
- 人物
- 行動
が最低限書かれていればいいです。
人によっては印象的なセリフなどを書いてもいいと思いますが、あくまで構成を把握するためのものだと意識してください。
ストーリーの流れを掴む
出来上がった構成表を眺めると、観客として作品をみるのとは違い、俯瞰して作品を捉えることができます。
ストーリーの流れをつかむ上で、「主人公」と「ストーリーの転換点」に注目してください。
- 主人公は誰か
- 主人公の抱える葛藤や直面する危機は何か
- それらをどう乗り越えるか
- ストーリーの転換点、クライマックスはどこか
- ストーリーを起承転結や三幕構成に分けるとどうなるか
これらを確認できたらOKです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、数をこなしていくとストーリーの型が身につき、より細かいところに目がいくようになってきます。
ストーリーの本質を理解する
最後はストーリーの本質を理解する作業です。
本質を理解するとは作品のテーマや主張を捉えるということです。
具体的には、
- ストーリーを3行で言い表してみる
- ストーリーを10〜15項目に箇条書きする
これらを行ってみてください。
ストーリーの本質がわかると不要な部分が見えてきます。
つまらない作品だと不要な部分が多く、面白い作品は削ぎ落とすところがないほど本質に関係するシーンばかりであることに気づくと思います。
分析した作品と自分の作品を比べる
分析が終わって満足してはいけません。
みなさんの目的を思い出してください。
いい作品を書いて脚本家になることですよね?
分析が終わったら、
- 自分の作品に足りない部分はどこなのか
- 作品に取り入れられそうな部分はあるか
分析した作品を比べて自分との差を知り、参考になるところは取り入れていきましょう。
自分の作品には無駄な部分しかないんだけど……
足りないところだらけでどうすればいいかわかりません……
分析をするほどこういう状態に陥ります。ですが全然大丈夫、それは誰しもが通る道です。
トライアンドエラーを繰り返すことであなたの作品は間違いなく良くなっていきます。
その他の勉強法
基本的に「作品をみて自分の作品に活かす」これができていれば初心者のシナリオ学習としてはほぼOKです。
ですがそのほかの一般的な勉強法についても触れておきます。
定番なのは、
- 本で学ぶ
- シナリオ学校で学ぶ
この2つです。
本で学ぶ
本屋に行くとシナリオ本やノウハウ本が置いてあります。
中でもシナリオ本に関しては、
- ト書きの書き方
- 柱の立て方
- 記号、書式の使い方
など、映像には映らないようなことがわかるためとても参考になります。
なので一冊くらい持っていて損はないと思います。あなたの好きな脚本家のシナリオ本が出て入れば読んでみましょう。
ただし脚本家によって独自のルールのようなものがあります。
書き方に違いがあるので、コンクールに出そうと思っている人などは注意が必要です。
私がお勧めするシナリオ本をいくつかあげておくので、気になる方はチェックしてください。
ノウハウ本は本屋でもたくさん見かけます。
作品づくりの参考になるものもあるので、本で学ぶこと自体は悪いことではありません。
ただし特に初心者の方は「脚本に関して誰よりも詳しくなってやるぞ」とは思わずに「ざっくりと体系的な知識だけ手に入れよう」という位でいいです。
初心者ならこれだけ読めばいい!という一冊があるのでそれを紹介しておきます。
この本には初心者が脚本を書く上での体系的な知識が網羅されています。
これ一冊で脚本を書く最低限のスキルは手にはいるので、とりあえずこれを読んで作品を書いてみてください。
その上で、
- キャラクターの作り方についてもっと知りたい
- もっとストーリーの作り方や構成を学びたい
などと感じたら、それらに関する本を手に取るのがいいと思います。
シナリオ学校に行く
これも定番です。
シナリオ学校で学んで脚本家になる人も多いですし、実際にわたしもシナリオの学校に通っていました。
学校に行くメリットとして、
- 仲間ができる
- 自分の作品に意見がもらえる
が挙げられます。
一緒に作品を書く仲間がいれば自分も書こうというモチベーションになりますし、作品を提出しなきゃといういいプレッシャーにもなります。
それと、自分の作品の欠点って自分ではわからないもんです。
自分が面白いと思った作品でも必ず何かしら欠点があったりします。それをプロの講師に見てもらえるのは学校に行く一番のメリットだと思います。
反対に、
- お金や時間がかかる
- 仕事の両立が難しい
というデメリットもあります。
お金に関しては、大学や専門学校の学費ほどではないにせよ決して安くはありません。
決まった時間に授業があるので、仕事をしていると忙しくて参加できなかったり、課題や提出原稿が書けず、続かずに辞めてしまうということがあります。
なので、
- お金や時間に余裕がある
- 早く成長したい
- 学びたい講師がいる
- 同じ仲間が欲しい
こういう人には学校に行くことをお勧めしますが、思考停止で「学校に行けば脚本家になれるだろう」という安易な気持ちであれば続かないのでやめたほうがいいです。
今ではSNSで仲間を作ったりもできるので、まずはそうやって仲間を作ってから学校に入ることを検討してみてもいいんじゃないかと思います。
まとめ
最後に今日のまとめです。
以上、脚本の勉強法についてでした。
最後までお付き合いありがとうございました!
最速でPDCAを回そう!