みなさんこんにちは、ムービー3分クッキングの時間です。
脚本家を目指す初心者の方に向けて、日々情報を発信しています。
今回は、
- 脚本のネタがない
- どうやってネタを探すの?
- ネタが作品まで育たない
という人のための記事です。
この気持ちはとてもよくわかります。
わたしも書きたい気持ちがあってもいいネタがなかったり、いいネタが浮かんでも上手く作品に昇華できず悩んでいました。
そこで今回は「脚本のアイデアを集める方法とその育て方」について解説します。
前提:アイデアは向こうからやってこない
みなさん、アイデアってどうやって生まれてくると思いますか?
ぼーっとしてたら突然雷に打たれたように生まれるんでしょ?
そう思ったあなた。
バカヤロウ!!
たしかにアイデアというと、
- 自分の力ではどうしようものないもの
- 選ばれた天才だけに与えられるもの
と思いがちです。
しかしアイデアとはただ待っていれば神さまが与えてくれるものではないんです。
むしろ今回の記事で話すことは、アイデアとは日々の努力と苦悩の成果によって得られるということです。
これを聞いて「楽していいアイデアが閃く方法」を知りたかったみなさんはがっかりすると思います。
ですが、裏を返すと「努力と苦悩さえすれば、誰もが天才的なアイデアを生む可能性がある」ということでもあります。
「いいアイデアが湧かないのは自分に才能がないからだ」と思っている人にとってはむしろチャンスだと思います。
これから紹介する具体的な方法を根気よく実践すれば必ずいいアイデアが生まれると思うので、ぜひ最後までお付き合いください。
その1 素材を集める
まずはアイデアになる前の断片、「素材」を集めていきます。
ここでいう「素材」とは直接作品づくりに関わることじゃなくても構いません。
- 映像作品を見る
- 興味のある事柄について調べる
- 気になる人に会ったり場所に行ったりして体験する
など、とにかく少しでも気になったことには片っ端から首を突っ込みましょう。
些細なことや意外なことが作品の取っ掛かりやアイデアに繋がることもあります。
気になったことはすぐにメモする
思いついた素材はその場でスマホなどに必ずメモを取りましょう。
これはとても大事なことですが、意外と疎かにしがちです。
お風呂やトイレでふとアイデアの断片が浮かんでも「あとでメモしよう」と思って結局忘れるという経験は誰しもがあると思います。
- たかが小さなアイデア
- どうせ役に立たないだろう
- 良いアイデアなら忘れたりしない
などと軽く思ってはいけません。
その素材がいいものか判断するのは今のあなたではなく、未来のあなたです。
小さな素材でもメモを取ることで頭に残ったり、それがいいアイデアに繋がることもあります。
メモを取る際には、
- できるだけ細かく書く
- 日付や出典、引用元などを書く
など最低限のデータは書くように注意しましょう。
わたしのスマホのメモ帳にはなぜこれを書いたのか全く思い出せない単語の羅列がいくつもあります。
いつかは思い出すと思って消せずにいるんですが、恐らくその日は来ないでしょう。
みなさんはこうならないよう、未来の自分に理解できるようなメモを取るように心がけましょう。
その2 素材を咀嚼して組み合わせる
次は集めた素材を成熟させていく作業です。
具体的には、
- 常識や固定観念を捨てる
- 連想する
- 組み合わせる
これらを行います。
わかりやすいように、仮に「ジェンダー」を扱った作品を書こうと考えたとします。
単にジェンダーで考えつくストーリーは、
- 男性から性差別を受ける女性の話
- 同性が好きな息子を認めたくない父親の話
といかにもありがちな話になってしまいます。
私たちはありがちじゃない新しいストーリーを作りたいわけですが、そのためには「ジェンダー」に対する常識や固定観念を捨てる必要があります。
さっき挙げたありがちなストーリーには、
- 性差別は女性だけが受けるもの
- 父親は異性愛者
という世間の常識や思い込みがあります。
それを徹底的に疑ってみてください。
- 女性から性差別を受けている男性は存在しないのか
- 父親の浮気相手が男だとわかったら息子はどう思うか
そうすることで新たな疑問が生まれたり、それについて調べることであなたの「ジェンダー観」も変化していき、より広い視野でジェンダーをより広い視野で捉えられるようになります。
また、
人間にしか性差別は存在しないのか ↓ 宇宙人に性別はあるのか ↓ 性差のない宇宙人に憧れる人間がいてもおかしくないんじゃないか
と連想や意外な組み合わせを試して、
・ジェンダーに悩む主人公が性差のない宇宙人になろうとする話
と(アイデアの良し悪しはともかく)ありがちなストーリーからかけ離れた斬新なストーリーが出来ることもあります。
その3 放置する
とはいえ、そう簡単に上手く行くほど甘くはありません。
アイデアを練っていると新たな課題が生まれたり、何かしっくりこなかったり、結局ありがちな作品が出来上がって絶望したりします。
そういうときは放置してください。
無理に考え続けると嫌になったり、「才能がない」と諦めてしまいます。
この状態はあなたに才能がないからではなく、誰にでも訪れる当たり前の状態です。
「今できることは終わったから、あとは未来の自分に任せる」と気楽に考えて、遊びに行ったり、他の作品に取り掛かったり、好きなことをして一度忘れてください。
書くことで落ち込んでしまってモチベーションが上がらないという人はこちらの記事も読んでみてください。
その4 もう一度考え続けてひらめきを待つ
ある程度時間が経ってから、もう一度それらについて考えてみましょう。
すると驚くことに、見え方や感じ方が以前と変わっているはずです。
- 前のアイデアが地味に見えたり
- もっといいアイデアが浮かんだり
- 他の組み合わせが浮かんだり
この段階が一番アイデアが出やすいと言われています。
「ジェンダーに悩む主人公が性差のない宇宙人になろうとする話」 ↓ 実際に宇宙人の社会ってどんな感じなんだろう? ↓ 無情で厳格な階級社会なんじゃないかな? ↓ 「ジェンダーに悩む主人公が性差のない宇宙人になったけど、実際は人間より残酷な実力社会で結局人間に戻る話」
というように、これなら一本の作品になりそうです。
みなさんも昔書いた自分の作品を読み返して「つまんないな」「もっとこう書けばよかったな」「ここを直せば面白い作品になりそう」と思った経験があると思います。
まさにそういう感じで、いいアイデアとは日々の努力を経て忘れた頃に不意打ちでやってくることもあるので、諦めず常にいいアイデアを待ち続けてください。
まとめ
最後にまとめです。
- アイデアは向こうからやってこない
- 日頃から色んなものに関心をもち、使えそうな素材は必ずメモをとる
- 常識や固定観念を取り払い、素材を咀嚼して組み合わせる
- 行き詰まったら放置し、忘れた頃にもう一度考えてみるとひらめきが訪れる
以上、アイデアについてでした。
お付き合いありがとうざいました!