- 「シナリオを書いてみたいけど、どうやって書けばいいんだろう」
- 「いつも途中で書けなくなってしまう」
- 「コンクールで一次審査が通らない」
そのようなお悩みを抱えてはいませんか?
実は、シナリオには一般的な書き方が存在します。
「面白ければ好きに書いていいんだ!」
そうやって書き上げた作品がコンクールなどで評価されるのはほんの一握りの天才だけです。
大抵は一次審査すら通らずに「こんなに面白い作品がなぜ評価されないんだ!」となるでしょう。
そうならないために、シナリオについて学ぶことはとても大切です。
とはいえ、実際どのように学習していけばいいかわからない方がほとんどだと思います。
そこでこの記事では、これからシナリオを学ぶにあたって初心者が知っておくべきこと、注意すべきことについてわかりやすく解説していきます。
そもそもシナリオとは?
映像制作に関わったことがない限り、シナリオに触れる機会というのは少ないと思います。
なので「シナリオって小説と同じようなものでしょ?」と考える人も多いのではないでしょうか?
シナリオとは映画やテレビ、舞台などの脚本のことです。
場面の構成や人物の動き・セリフなどを書き込んだもので、台本と呼ぶこともあります。
媒体によって多少書き方は異なりますが、基本的にシナリオは「柱」「ト書き」「セリフ」の3つの要素で成り立っています。
シナリオの特徴:シナリオは設計図
よくシナリオは設計図だと言われます。
みなさんにも馴染みのある小説は、書いた文章がそのまま観客に届きます。
それに対してシナリオは、それをプロデューサーや俳優、スタッフなど製作陣が読んだ上で映像化し、それが観客に届くのです。
つまり、シナリオは観客以前に、製作陣のために書かなくてはいけないということです。
具体的に言えば、シナリオは基本的にカメラに映すものしか書けません。
極端な例を挙げると、小説は「太郎は悲しかった」と書けば、読者に太郎が悲しんでいることが伝わります。
しかし、シナリオでは太郎が悲しむシーンを登場人物たちの行動やセリフで表現しなくてはいけません。
つまり、シナリオは映像になることをイメージして書く必要があります。
小説のような細かい風景描写や心理描写をシナリオで書いても、それは「映像化できないダメな設計図」でしかありません。
シナリオを書きはじめる前に、まずは実際に映像化された作品を観て学び、シナリオについて理解しましょう!
シナリオ学習はインプットから!おすすめの動画配信サービス3選!
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・Amazon Prime Videoを利用するメリット・デメリットは?~登録(無料トライアル)方法までわかりやすく解説~
作品を観て学ぶってどうやるの?
作品をたくさん観て学ぶといっても、ただ漠然と鑑賞するだけでは意味がありません。
とはいえ、初心者の方はどんな視点で作品を観て、どのように分析すればいいのかわからないと思います。
そこで、ここでは作品の具体的な分析方法について解説します。
構成表をつくる
構成表とは、簡単に言うと映像をもとに設計図を再現する作業です。
構成表をつくることで作品を俯瞰して捉えられ、客観的な目線で分析することができます。
ノートやデバイスのメモ帳などに、どんなシーンがどんな順番で並んでいるかを箇条書きにします。
書く内容はシーンごとに場所、登場人物、出来事が分かれば十分です。
例:桃太郎 ○ 山 芝刈りをするおじいさん。 ○ 川 洗濯をするおばあさん。 川から桃が流れてくる。
ストーリーの流れを把握する
構成表ができたら、それを眺めながらストーリーの流れを理解します。
- 主人公は誰なのか
- 主人公はどんな葛藤(悩みや目的、欲望)を抱え、どんな危機に直面しているか
- その葛藤をどう乗り越えるか
- ストーリーのポイント(転換点やクライマックス)はどこか
- 起承転結や三幕構成にするとどうなるか
これらを理解できればストーリーの流れは理解したと言えるでしょう。
この作業は一見意味がないように見えますが、ストーリーの型を理解するのに大切な作業です。
数をこなすうちに「次はこうなるだろうな」と感じるようになり、構成力が自然と身についていきます。
ストーリーの本質をつかむ
ストーリーの流れが把握できたら、最後はその本質をつかみます。
ストーリーの本質をつかむとはズバリ、そのストーリーを3行で説明できるようになるということです。
ストーリーを簡潔に言い表す文章のことをログラインといいます。
例:桃太郎のログライン 桃から生まれた桃太郎がお爺さんとお婆さんからきび団子をもらい、犬、猿、キジを従えて鬼ヶ島へ鬼退治に行くストーリー。
ストーリーを過不足なく簡潔に説明するのは意外と難しいです。
最初のうちは的外れだったり、言葉に詰まったりするでしょう。
本質をつかむポイントは不要な部分を徹底的に削ぎ落とすことです。
いきなり3行で言い表すのが難しいという方は、まずは構成表をもとに、ストーリーを10項目程度の箇条書きにしてみましょう。
シナリオ作品の詳しい分析方法はこちら↓
シナリオを書くときに初心者が意識すること
テーマをはっきりさせよう
どんな作品にもテーマが存在します。
テーマとは、簡単に作品の中心となる考えやメッセージのことと理解してください。
大げさに言えば、ストーリーはテーマを観客に伝えるために存在し、テーマを中心に展開していくと言ってもいいくらいです。
テーマはストーリーにおいてそのくらい大事なものです。
初心者の方が書いたシナリオを読むとテーマが変化したり、ぼやけてしまったりすることがよくあります。
作品の中心が定まっていないと、観客はどのように作品を観たらいいかわからなくなり、やがて興味を失ってしまいます。
シナリオを書くときは、このシーン、登場人物、セリフは作品のテーマを伝えるのに必要なのかどうか、常に意識するようにしましょう。
主人公を1人に決めよう
テーマと同様に、どんな作品にも存在するのが主人公です。
初心者の方にありがちなミスとして、主人公が誰なのかよくわからないというのがあります。
書いているうちに別の人物に感情移入してしまい、いつの間にか主人公が変わったり、主要人物が多いあまり全員中途半端な形で終わってしまうケースが多いです。
連続ドラマや長編映画なら多くの登場人物を描くことも可能ですが、コンクールはほとんどが60分です。
その中で多くの人物を描くことは極めて難しいです。
主人公は1人、主要人物は5人程度を意識しましょう。
より具体的な内容についてはこちらをご覧ください↓
初心者が注意するべきこと
ノウハウコレクターにならない
作品を分析したり、書籍でインプットすることは大切です。
しかしインプットに比重を置きすぎると、それ自体が目的化してしまいます。
そして気づけば、いつまでもシナリオを書かないノウハウコレクターになってしまう危険があります。
みなさんがシナリオ学習する目的は、あくまで面白いシナリオを書くことにあることを忘れないでください。
知識を蓄え、アイデアが湧いたら、実際にシナリオを書いてアウトプットしましょう!
一つの作品にこだわりすぎない
いい作品を完成させたいという想いが強いあまりに、何年も一つの作品にこだわっている初心者の方がよくいます。
「より良いものを書きたい」「人に見せても恥ずかしくないものを書きたい」という考え方自体はとてもいいことです。
しかし、初心者の方にとって大事なのは完璧な作品を書くことよりも、とりあえず完成させることにあります。
ひとつの作品も書き上がっていない人と、10作書いている人では明らかに成長スピードが違います。
それは一つ作品を書くたびに「もっとこうすればよかった」と反省や学びが生まれ、それが成長に繋がるからです。
作品がなかなか完成せずに悩んでいる方は、とりあえずその作品は置いておいて、別の作品を書いてみてはいかがでしょうか。
今の100%は未来の50%かもしれません。初心者のうちは質より量を意識しましょう!
慣れてきた人向け学習法
書いた作品の意見をもらおう
シナリオは最後まで書き終えたら完成ではありません。
自分では完璧な作品が書けたと思っていても、他人が読むと必ず矛盾や不自然に感じる箇所は存在します。
自分の作品を客観的に捉えることは、他人の作品を分析すること以上に難しいことです。
そこで書き上がった作品は一度誰かに読んでもらい、客観的な意見をもらうようにしましょう。
読んでもらう相手は、シナリオが読める人である方がいいです。
シナリオスクールや通信講座でプロに添削してもらったり、シナリオを書いている仲間に読んでもらったり、ネットに投稿して反応をみるのもいいでしょう。
作品を書き直そう
作品を書き上げたら完成ということはまずありません。
プロの脚本家でも初稿が完成稿ということはなく、スタッフの意見を取り入れながら何度も改稿を重ねます。
誰かに意見をもらったら、それを自分なりに受け止め、改善できるところは書き直し、より良い作品に仕上げていきましょう。
具体的なやり方についてはこちらをご覧ください↓
シナリオ学習の始め方 まとめ
今回はシナリオ学習の始め方について解説しました。
シナリオ学習の始め方は、作品を分析して客観視する力を養い、実際にシナリオを書き、意見をもらって書き直すの3ステップです。
お伝えした分析方法や注意点を意識して、みなさんがいいシナリオを書ければ幸いです。
またシナリオについて困ったことや詳しく知りたいことがあれば、このサイトの記事を参考にしてみてくださいね!
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当サイトではシナリオを学ぶ方に役立つ記事を書いています。
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