- 脚本の勉強をしたいけど、何から始めればいいかわからない
- 面白い脚本が書けない
- 脚本の参考になる書籍が知りたい
脚本を書き始めたばかりの方にとって、脚本の書き方やコツがまとめられた書籍は参考になります。しかし、どれを選べばいいかわからない方は多いです。この記事では脚本のスキルが確実に上達する書籍を紹介します。
脚本に関する書籍は、自分のレベルや課題に合わせて選ぶことが大切です。この記事を読めば、自分に合った書籍がわかります。多くの書籍を読んできた私が厳選したものを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
初心者向けの書籍
- これから脚本を書いてみたい
- 何度か脚本を書いてみたけど、最後まで書けない
本章では、初心者が参考になる書籍を紹介していきます。
3年でプロになれる脚本術
「3年でプロになれる脚本術」は、連続ドラマ「結婚できない男」などで知られる人気脚本家の尾崎将也氏が執筆した脚本指導書です。脚本家になるための具体的な方法や技術が実体験に基づいて語られています。
ストーリー構成といった初心者に向けたものから、作品の分析方法といった中級者向けの内容まで幅広く扱っているのが特徴です。難しい専門用語も使われておらず、脚本を書いたことがない方でも理解できます。初心者がまず一冊手に取るとしたら、この本をおすすめします。
SAVE THE CATの法則
本書のタイトルでもある「SAVE THE CATの法則」とは、物語の冒頭で主人公が危機に陥った猫を救うシーンを描くことで、観客の共感を得るテクニックです。本書は観客が面白いと感じる物語の法則がいくつも紹介されています。
物語の核心を一文で表現する技術であるログラインや、物語の基本構成である三幕構成といった専門用語についても解説されています。特に物語構成をテンプレート化したブレイク・スナイダー・ビート・シート (BS2)は、プロの脚本家の方も活用しています。
やや中級者向けの内容ですが、より実践的な理論を学びたい方にとっておすすめの一冊です。
中・上級者向けの書籍
- もっと面白い脚本が上手くなりたい
- より踏み込んだ内容を学びたい
本章では、中級者以上の方におすすめの書籍を紹介します。自分の抱えている課題やレベルに合わせて最適なものを選んでください。
シド・フィールドの脚本術 3部作
シド・フィールドは、ハリウッド式の脚本メソッド「三幕構成」理論を体系化した脚本家です。三幕構成とは物語を「発端」「中盤」「結末」の3つの幕に分ける構成法で、現在でも多くの脚本家に活用されています。
»三幕構成について詳しく解説!
シド・フィールドの脚本術をまとめた書籍は3冊刊行されており、それぞれ内容が異なります。1冊目の「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと」は、やや初心者向けの内容でありながら、中級者でも十分学びがある内容です。
本書はテーマの決め方からリライトの方法まで、執筆に必要な要素が網羅的にまとめられています。三幕構成について理解したい方や、ストーリー作りの基礎をしっかり学びたい方におすすめです。
2冊目の「素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック」は三幕構成を実践で活用する方法がまとめられています。本書のワークブック通りに進めていくと、1本の脚本が完成する構成になっているのが特徴です。三幕構成をすでに理解している方や、執筆に行き詰まっている方におすすめです。
3冊目の「最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと」は、作品の修正が苦手な方におすすめです。本書には、1度書き上げた脚本をより面白くするための方法が書かれています。プロの脚本家になるには作品を書き直す(リライト)の技術が不可欠です。
リライトには作品の問題点を発見し、改善するスキルが求められます。シナリオコンクールで思うような結果が出ていない方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
»リライトの具体的な方法や注意点を解説!
»シナリオコンクールの対策方法を解説!
テーマからつくる物語創作再入門
物語のテーマは作品の核となる重要な要素です。作者の独自性が表れるだけでなく、作品の一貫性を確保する役割があります。どれだけ衝撃的なストーリー展開や小気味良い会話のやり取りがあっても、テーマが明確でなければ観客に散漫な印象を与えかねません。
本書ではテーマの重要性や、観客の共感を生み出すテーマの見つけ方が解説されています。自分の書く作品がいつも上手くまとまらないと感じている方におすすめの一冊です。
記憶に残るキャラクターの作り方
キャラクター作りは、脚本を描くうえでテーマと同じくらい重要です。魅力的なキャラクターが描けていないと、観客は感情移入してくれません。特に初心者のうちは、ストーリー展開を意識するあまりキャラクターの深掘りを疎かにしがちです。
本書では観客を感情移入させるキャラクターの作り方が紹介されています。リサーチや背景の作り方など、キャラクターを掘り下げるヒントが詰め込まれています。キャラクター作りに課題を感じている方におすすめの一冊です。
»魅力的なキャラクターの作り方を解説
「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方
「感情」というワードは脚本家だけでなく、すべてのクリエイターにとって重要です。すべての物語作品には、観客に感情的体験を与える役割があります。観客がお金を払ってわざわざ映画館へ足を運ぶのは、ドキドキやワクワク、泣いたり笑ったりを求めているのに他なりません。
本書には、観客の感情を掻き立てるためのテクニックがいくつも紹介されています。プロの脚本家を目指す方なら、一度は読まなければならない一冊です。
面白い小説を書くためのプロット徹底講座/野沢尚のミステリードラマは眠らない
初心者によくある失敗として、脚本が途中で書けなくなりボツにすることが挙げられます。書いていてアイデアが浮かばなかったりストーリーに矛盾が生じるのは、きちんとプロットを書いていないことが原因です。プロットとは、物語の設計図を指します。脚本を書く前にプロットの準備ができていると、スムーズに脚本を書けます。
「面白い小説を書くためのプロット徹底講座」は、プロットの基本から実践まで幅広く学べる本です。初心者の失敗例が掲載されているので、初心者がつまづきやすいところや改善点がわかります。一度もプロットを書いたことがない方におすすめできる書籍です。
「野沢尚のミステリードラマは眠らない」は、ドラマ『眠れる森』などで知られる著者の脚本術をまとめた本です。実際にドラマ化されたプロットが掲載されているだけでなく、アイデア出しからリライトまでプロの脚本家の仕事がわかります。プロがどんなスケジュールで仕事を進めているのかを知りたい方におすすめです。
»プロットの書き方を初心者にわかりやすく解説
おすすめシナリオブック
本章では、脚本執筆に役立つシナリオブックを紹介します。シナリオブックとは、映画やテレビドラマの脚本(台本)をそのまま書籍化したものを指します。シナリオブックを読む最大の特徴は、映像ではわからないプロの脚本家のト書き(場面状況や登場人物の行動)が読めることです。
映像と脚本を比べることで、映像化される過程で省略された箇所や演出が加えられた部分がわかるのも魅力です。脚本の教科書として、一冊は手元に置いておくことをおすすめします。
»シナリオブックの楽しみ方やノベライズとの違いを解説!
アンナチュラル
「アンナチュラル」は、2018年1月から3月にかけてTBSで放送された人気テレビドラマです。脚本は野木亜紀子が担当し、異状死体や犯罪死体の解剖を通じて死因を究明するストーリーです。1話完結の構成のため、シナリオコンクールを目指す方にとって最適のシナリオブックです。
MIU404
「MIU404」は、TBS系列の金曜ドラマ枠で2020年6月26日から9月4日まで放送されたテレビドラマです。脚本は野木亜紀子、綾野剛と星野源がダブル主演を務めました。バディーものや刑事もの、ミステリーを書きたい方におすすめの一冊です。
silent
「silent」は、2022年10月から12月にかけてフジテレビ系で放送された連続テレビドラマです。2021年にヤングシナリオ大賞で大賞受賞の生方美久による初の連続ドラマ脚本で、鮮やかな会話劇や細かな演出で人気を集めました。現代の若者のリアルな生活を描きたい方におすすめです。