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【設計図を作ろう】シナリオを書くとき絶対におさえておくべき3つのこと

シナリオ
  • 「シナリオが最後まで書けない」
  • 「面白いストーリーが書けない」

そんなお悩みを抱えている方は多いと思います。

シナリオは書く前の準備がとても大切なんです。

行き当たりばったりでシナリオを書き始めると、必ずと言っていいほど途中で書けなくなったり、つまらない作品が出来上がってしまいます。

そこで今回は、シナリオを書くときに最低限おさえておくべきポイントについて解説します。

この記事を読めば、せっかく書いてきたシナリオをボツにしたり、目もあてられない駄作を書いてしまうことがなくなりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

この記事を読んでわかること
  • シナリオを書くまえにテーマ主人公大まかなストーリーを決めておこう
  • それぞれの具体的な方法
  • より面白いシナリオを書くために普段から作品を見て引き出しを増やそう
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前提:シナリオの形式

まずはシナリオの構成要素について簡単におさらいしておきます。

シナリオはト書きセリフの3要素で構成されています。

柱はシーンの場所や時間、時制を表し、ト書きは状況や登場人物の動き、セリフは登場人物の話す言葉を表します。

なぜこのような形式なのかというと、シナリオは製作陣のために書かれる設計図だからです。

設計図は簡潔で見やすいものでなければいけません。プロを目指すのであれば変にオリジナリティを出そうとせず、読み手にわかりやすいシナリオを書くように心がけましょう。

テーマを決めよう

まずはあなたがこの作品で観客に何を伝えたいかを明確にしましょう。

シナリオを書こうとする方はストーリーの展開や主人公のキャラクター、セリフまわしなどに一生懸命になり、テーマをおろそかにしがちです。

しかしテーマはシナリオを書くうえで最も重要な要素のひとつになります。

例えるなら、テーマは家づくりにおける柱のようなものです。

柱がしっかりしていないと家が崩れてしまうように、作品のテーマが特になかったり、ブレたりすると観客に「つまらない」「何が言いたいのかよくわからない」という印象を与えてしまうでしょう。

『愛の不時着』には「愛に国境線はない」というテーマが、『鬼滅の刃』には「家族の愛」という大きなテーマがあります。

このように面白い作品には必ずテーマがあり、テーマを伝えるために登場人物が存在し、セリフをしゃべり、ストーリーが展開していくのです。

テーマの見つけ方

とはいえ「テーマが見つからない」という方も多いと思います。そんな方のために、ここでは一般的なテーマの見つけ方について解説します。

  • よくあるテーマを使う

いざテーマを決めろと言われると「斬新なテーマを見つけなきゃ」と頭を悩ませてしまいますよね。

ですが、多くの人に受け入れられるテーマとは意外と少なく、古くからあるものばかりです。さらに斬新なものとなると、見つけるのは至難の業でしょう。

なので、自分が好きな作品や古典の名作からテーマを見つけてきて、まずそれを使って作品を作ってみましょう。

「よくあるテーマだと面白い作品ができないのでは」と考えてしまうかもしれませんが、「よくあるテーマをいかに斬新な設定で、個性的な登場人物で、意外なストーリー展開で伝えるか」が脚本家としての腕の見せ所だとも言えます。

  • 着想からテーマを見つける

はじめにテーマを決めてから作品を書こうとすると気に入ったストーリーが思いつかず、なかなか筆が進まないという方もいるかと思います。

むしろ「こんなシーンが書きたい」「こんな主人公を書きたい」といったアイデアから作品を書く方の方が多いのではないでしょうか。

まず何らかのアイデアが湧いた場合は、それを書くことで自分は観客に何を伝えたいのかを考えてみてください。

例えば「学生の日常的なシーンが書きたい」と思ったとしたら、「若いということの素晴らしさ」「青春のかけがえのなさ」といったことが伝えたいのかもしれません。

「貧乏だけど心優しい主人公が書きたい」と思ったとしたら、「大切なのはお金じゃなくて心だ」「真面目に生きていれば誰かが助けてくれる」といったことが伝えたいのかもしれません。

テーマは後回しに、とりあえず思うがままに書いてみて、書きながらテーマを見つけていくのもひとつの手です。

テーマについてもっと深く学びたい方は

テーマについてより深く知りたいという方は『テーマからつくる物語創作再入門』という本を読んでみることをお勧めします。

作品におけるテーマの重要性やテーマとなる原理が詳しく解説されています。

主人公を決めよう

作品において主人公が重要なのは言うまでもありません。

しかし初心者のうちは書いている途中で主人公が変わったり、最後まで読んでも主人公が誰なのかよくわからないということがよくあります。

主人公がはっきりしていない作品は観客を困惑させてしまう原因になります。

では、一体どのような人物が主人公に相応しいのでしょうか?

以下で、主人公に相応しい3つの条件について解説します。

主人公にふさわしい3つの条件

  • テーマを背負っている

先ほど「テーマを伝えるために登場人物が存在する」と伝えましたが、主人公はそれがより顕著な人物のことを指します。

『鬼滅の刃』の竈門炭治郎が誰よりも家族思いな少年であるから、物語の主人公たり得ているのです。

あらかじめテーマがはっきりしていると、主人公も比較的決まりやすいです。

しかしそうでない場合は「どの登場人物が一番作品のテーマを背負っているか」を考えてみてください。その人物を中心にストーリーを展開していくと作品がより面白いものになると思います。

  • 目的がある

主人公には必ず何らかの目的が存在します。

『鬼滅の刃』の竈門炭治郎には、鬼舞辻無惨を倒して妹を人間に戻すという大きな目的がありますよね。

観客はその目的が達成されるかどうかを見届けるため、作品に最後まで付き合うのです。

ですから、その目的に対してきちんと結果を提示することも大切です。

妹を助けることを放り出して恋愛に走ったり、結局どうなったのかわからずに終わってしまったら、観客は一気に関心を失ってしまいます。

  • 感情移入できる

観客が共感できる人物であることは主人公の極めて重要な条件です。

いくらテーマを背負っていて、かつ大きな目的があっても、その人物に感情移入できなければ、観客は興味を示してくれません。

『鬼滅の刃』の竈門炭治郎は鬼を狩る組織「鬼殺隊」に入隊しますが、鬼を斬る組織に入ることは非道徳で共感しづらい印象を受けます。

しかし炭治郎が鬼殺隊に入るのは「鬼舞辻無惨を倒し鬼になった妹を人間に戻すため」です。

一家を鬼に斬殺され、唯一生きていた妹が鬼にされてしまった炭治郎に観客は同情し、妹を人間に戻すという目的を応援したくなるのです。

特に暴力や犯罪をするなど、大衆に共感されにくい主人公を書こうとしている人はそれを行う理由を掘り下げるなどして、観客に共感してもらえるような人物像になるよう気をつけましょう。

主人公についてもっと深く学びたい方は

共感できる主人公についてより深く学びたいという方は『「感情」から書く脚本術』を読んでみることをおすすめします。

本書は観客の感情を動かすキャラクターを4つの型に分類して紹介しているだけでなく、「感情」という根源的な視点から脚本作りを語っていて、プロを目指す型全員が読んでほしい内容になっています。

大まかなストーリーを決めよう

シナリオを書き始めた頃はアイデアを思いつくと、いきなりシナリオを書いてしまいがちです。

しかしそうすると次の展開に詰まったり、取り返しのつかないストーリーの矛盾が生じて、最後まで書けないということが起こります。

そこでシナリオを書く前に大まかなストーリーの設計図を作ることをおすすめします。

設計図があればシナリオを書いていて展開に困ることはありませんし、ストーリーの矛盾も設計図の段階で修正できれば、せっかく書いたシナリオを大きく書き直すという苦労もなくなります。

一般的な方法としては、構成案を練るプロットを書くハコ書きにするという3つの手順で行います。

今回は一般的なやり方を紹介しますが、構成案からハコ書きに移ったり、プロットからシナリオを書いたりと、人によって書き方は様々です。

それぞれ自分に合ったやり方を見つけてみてください。

ストーリー設計図の作り方

  • 構成案を練る

まずは主な登場人物の大まかな動きとストーリーの起承転結を決めます。

上手く行かない場合はラストシーンから先に決めてしまうと、承や転も自然と浮かんでくると思います。

1時間のドラマだとすると目安はA4用紙2枚、1000字程度で、ストーリーのあらすじを友人に説明すると思って書くといいでしょう。

それを意識することで作品の漠然としたイメージが明確になっていきます。

逆にこの段階でストーリーが複雑でわかりにくいと感じる場合は、シナリオにするともっとわかりにくいものになる可能性が高いです。

常に簡潔でわかりやすいものを意識してください。

  • プロットを書く

プロットとは構成案の狙いをはっきりさせ、さらに膨らませたものです。

脇役を増やしたり、細かなエピソードを決めていきます。その際にストーリーに穴はないか、展開は急で不自然ではないかなどをよく確認します。

A4用紙4枚、2000字程度が目安です。

プロットが上手く行かない場合は登場人物の背景を掘り下げたり、相関図を書くなどして作品のイメージをより固めてみましょう。

  • ハコ書きに起こす

ハコ書きとはシーンごとの設計図をつくる作業です。

シーンごとに柱を立て、登場人物の出入りや大事なセリフなどをより細かく決めていきます。

目安はプロットの倍のA4用紙8枚、4000字程度が適当でしょう。

この作業で最も重要なのは、ひとつのシーンがどう始まってどう終わるかを意識することです。

そしてシーンのつながりやストーリーの整合性を最終確認していきます。

ここまで準備ができていると、大きな失敗がなくシナリオを書くことができます。

ストーリー作りについてもっと深く学びたいという方は

ストーリーの作り方についてもっと具体的知りたい方は『野沢尚のミステリードラマは眠らない』という本がおすすめです。

シナリオができるまでの着想から執筆までの行程を細かく解説してくれています。

著者が実際に書かれたプロットやハコ書きが載っているので、とても参考になると思います。

まとめ

シナリオは書く前にどれだけ準備をしたかで、その完成度が大きく変わります。

明確なテーマ主人公大まかなストーリーが揃っていれば、シナリオを書いていて大きな失敗をすることはなくなるでしょう。

  • テーマの見つけ方は「よくあるテーマを使う」「着想からテーマを見つける」の2通り
  • 主人公の条件は「テーマを背負っている」「目的がある」「感情移入できる」の3つ
  • ストーリーは「構成案」「プロット」「ハコ書き」の3つの手順でつくる

ここまで読んできて、「準備にここまでやる必要があるんだろうか」と思った方もいるかと思います。

たしかに、初心者の方は準備に時間をかけすぎるより、まずはシナリオを書いてみた方が学ぶことが多いというのも正しい意見です。

しかし、コンクールで賞を獲ったり、プロとして活躍している方々はシナリオを書く前に膨大な準備をしているのも事実。

みなさんが大好きなあの作品は、多くの苦労があって生み出されていることを知ってもらえたらと思います。

より面白いシナリオを書くために最も必要なこと

日頃から多くの作品に触れて想像力を養うことは、プロでも欠かさずに行なっている準備であり、いわば筋トレのようなものです。

これによってストーリーの型が身についたり、引き出しが増えることで展開に困ったときの助けになったりします。

多くの作品をコスパよく観るには作品数が最も多いU-NEXTに入るのがおすすめです!

無料体験期間があるので、これからシナリオ学習を始めようと考えている方はまずはそちらを利用してみてください。

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初心者の方はまずこちらの記事から

これからシナリオを書いていきたいけど、どのように学習すればいいかわからないという方に向けて書いています。

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