大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2回「願いの鐘」では、農村で暮らしていた小一郎(仲野太賀)の運命が、戦国の非情な現実によって大きく動き出します。幼馴染の涙、突然の襲撃、そして大切な友の死。理不尽な暴力に打ちひしがれる小一郎の前に現れたのは、武士として生きる兄・藤吉郎(池松壮亮)でした。
なぜ彼は、愛する家族や故郷を捨ててまで刀を手に取らねばならなかったのか。一人の青年が「百姓・小一郎」から「侍・秀長」へと生まれ変わる、魂の転換点を描いた衝撃の第2回を振り返ります。
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大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話「願いの鐘」のキャスト

大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話「願いの鐘」のキャストを以下で解説します。今回から織田信長の妹・市が登場しました。
豊臣家の人たち
- 小一郎(のちの豊臣秀長)/仲野太賀
尾張・中村の貧しい農家に生まれた弟で、第1話時点では土や畑と共に暮らす生活に満足しているが、信長に仕える兄・藤吉郎から「自分の家来になれ」と誘われ、運命が動き始める人物。 - 藤吉郎(のちの豊臣秀吉)/池松壮亮
小一郎の兄で、すでに織田信長に仕える猿顔の俊敏な家臣として動き回っており、のちに天下人となる男としてのカリスマ性と、どこか人間臭い弱さ・ずる賢さを併せ持つ存在として描かれる。 - なか(豊臣兄弟の母・のちの大政所)/坂井真紀
貧しい農家を切り盛りするしっかり者の母で、乱世を生き抜くために息子たちに厳しさとたくましさを教えつつ、家族を包み込む温かさも持つ、物語の土台となる母親。 - とも(兄弟の姉)/宮澤エマ
現実的で口が達者な姉で、戦場で盗みをしてでも家族が生き延びることを優先しろと小一郎を叱咤するなど、乱世ならではの価値観を体現する存在として描かれる。 - あさひ(兄弟の妹)/倉沢杏菜
家族の中で最も無邪気で明るい末っ子ポジションで、貧しい暮らしの中でもおやつやご飯をねだる子どもらしさが、豊臣家の温かさと「守るべき日常」を象徴しているとされる。
織田家の人たち
- 織田信長/小栗旬
一見「大うつけ」と呼ばれる奇行の多い若き領主だが、小一郎の働きを見抜き、「道を開けば敵より早く動ける」と教えるなど、合理的な軍略とスケールの大きさを持つカリスマとして登場する。 - 柴田勝家/山口馬木也
信長家臣団の重臣で、粗野で武骨なイメージをまといながら、信長の軍事力を支える「猛将」ポジションとして描かれ、のちの合戦シーンでの活躍も期待されるキャラクター。 - お市/宮﨑あおい
信長の妹。新たに本格登場し、藤吉郎を呼び出すなど物語に絡む重要な女性キャラクター。
尾張・中村の人たち
- 直(小一郎の幼なじみ)/白石聖
小一郎と同じ村で育った幼なじみの娘で、村を襲った野盗に連れ去られそうになる事件が、小一郎の決断や行動を促すきっかけとなるヒロイン的存在。 - 坂井喜左衛門(直の父・土豪)/大倉孝二
尾張・中村周辺を支配する小領主(=土豪)で、かつて藤吉郎に仏画と妾を盗まれている過去を持ち、そのことで藤吉郎・小一郎兄弟とも因縁がある人物として位置付けられている。 - 了雲和尚/田中要次
地域の寺にいる僧で、戦乱の気配が濃くなる尾張で、人々を見守りつつ、時に兄弟や村人に含蓄のある言葉を投げかける精神的支えのような役回りを担うキャラクター。 - 信吉・玄太(小一郎の仲間)/若林時英・高尾悠希
小一郎と行動を共にする若者仲間で、百姓や村人たちの目線から戦や出稼ぎへの本音を見せる存在として、第1話では小一郎の「盗人にはならん」という信念との対比にも使われている。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話「願いの鐘」のあらすじ

市の憂いと不思議な鐘
尾張統一を掲げる織田信長(小栗旬)は、宿敵・織田信賢が籠る岩倉城への総攻撃を目前に控えていました。信賢からの降伏勧告を「まことの統一ではない」と退けた信長は、城下を焼き払うよう命じます。非情とも思える決断の裏で、信長の妹・市(宮﨑あおい)は、敵が今川義元と通じている可能性を危惧します。冷徹に戦支度を進める信長でしたが、その心には「誰にも抗えぬ力で治める」という孤独な覚悟が宿っていました。
清須城の留守を預かる藤吉郎は、市から退屈を紛らわす話を求められます。そこで語ったのは、母から教わった「不思議な鐘」の昔話。欲深い悪党を滅ぼし、村に安寧をもたらしたというその鐘の物語を聞き、市は静かに本音を漏らします。彼女が感じていたのは退屈ではなく、修羅の道を突き進む兄・信長と共鳴するかのような、胸を締め付ける「苦しみ」でした。
信長の猛攻により岩倉城は陥落し、信賢は逃亡。勝利を手にした織田軍でしたが、戦場となった城下は焼け野原となり、行き場を失った民衆の悲鳴が響き渡ります。炎に包まれる町を、信長はただ静かに見つめていました。
直の祝言
一方、故郷の中村では、小一郎が道普請で稼いだ銭を家に入れつつ、幼馴染・直(白石聖)の縁談が決まったことを知り、複雑な思いを抱えていました。祝言当日、家族が祝いに向かうなか、一人家に残る小一郎。そこへ、望まぬ縁談から逃げ出してきた花嫁姿の直が現れます。「一緒に村を出よう」と直が決死で訴えるも、小一郎は踏ん切りがつかずにいました。
そんなとき、惨劇が村を襲います。祝儀目当ての野盗が坂井の屋敷を襲撃。小一郎は知恵を絞って村人と共に一度は追い払いますが、直後に現れた本格的な「野武士」の集団には太刀打ちできません。略奪と殺戮が吹き荒れるなか、小一郎は直と共に古井戸に隠れ、嵐が過ぎ去るのをじっと待つことしかできませんでした。
やり場のない怒りと決心
静まり返った村で小一郎が目にしたのは、変わり果てた姿となった親友・信吉(若林時英)の遺体でした。泣き叫ぶ源太の傍らで、小一郎は自分の無力さと、真面目に生きる者が踏みにじられる世の理不尽さに、「なんなんじゃこれは!」と魂の咆哮を上げます。
絶望の淵に立つ小一郎の前に、導かれるように藤吉郎が現れます。憤る小一郎は兄に怒りをぶつけますが、藤吉郎は「侍になれ」と真っ直ぐに弟を誘います。母・なかから、幼い頃に小一郎の命を救ったのは藤吉郎の献身だったと聞かされた小一郎は、今度は自分が兄を支え、この残酷な世を変える側になることを誓うのでした。
昇る朝日を背に、母・なかは「お天道様のようにおなり」と兄弟を送り出します。小一郎は直を連れ、兄と共に清須へと旅立ちます。村に残る母と姉妹が鳴らす「願いの鐘」の音。それは、家族の愛に裏打ちされた嘘と、新しい時代を築こうとする兄弟への祈りを乗せて、遠く響き渡るのでした。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話「願いの鐘」の見どころ

「平和主義者」小一郎が覚醒する瞬間
もともと小一郎は、争いを好まない穏やかな青年です。そんな彼が、「なぜ善良な人々が殺されなければならないのか」という怒りから、あえて戦乱の世界へ飛び込む決断をするシーンは、今作のヒューマンドラマとしての核心部分と言えそうです。
兄・藤吉郎との「対照的な兄弟像」
猪突猛進で野心家の藤吉郎と、慎重で思慮深い小一郎。正反対の二人が、一つの目標(乱世を終わらせる)のために手を取り合う姿は、最強のコンビ誕生を予感させます。藤吉郎が放つ、残酷ながらも真理を突いた言葉の重みにも注目です。
織田信長と「市」の苦悩
岩倉城を攻め落とし、冷徹に尾張統一を進める信長。その裏で、戦火に怯える民や兄の行く末を案じる市の切ない心情が描かれます。ただの合戦シーンだけでなく、「戦う者の孤独」が描かれているのが深みを感じさせます。
ドラマの象徴「願いの鐘」
タイトルの「願いの鐘」は、単なる旅立ちの合図ではありません。農民としての自分を捨て、予測不能な武士の世へ踏み出す「決別」と「祈り」のメタファー(比喩)になっています。画面から伝わる鐘の音の余韻を感じてみてください。
まとめ

今回の第2回「願いの鐘」は、一人の穏やかな青年が戦乱の厳しさを身をもって知り、運命を受け入れて立ち上がる「豊臣秀長・誕生の序章」とも言える重要な回でした。単なる「出世物語」ではなく、大切な人を守れなかった悔しさを原動力にするという人間味あふれる描写が、これまでの秀吉像・秀長像に新たな息吹を吹き込んでいます。
平和な村を去り、兄と共に修羅の道へと一歩を踏み出した小一郎。彼がこれからどのようにして、知略を武器に乱世を駆け抜けていくのか。兄弟の絆が試されるこれからの展開から、ますます目が離せません。
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